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2012年10月13日

黒豹(HeiBao)のレコーディング

ワシが中国にいるのは黒豹(HeiBao)あってのことである。

天安門事件の翌年、ふらっと来た北京旅行の最終日、
音楽茶座(まあカラオケ屋みたいなもん)のボーイに
「今日ロックパーティーがあるよ」
と言われ、「危険だから行くな」という仲間を振り切って、
「朝までに帰らなかったら大使館に連絡してくれ」
と言ってひとり飛び込んだ地下クラブで、
当時アンダーグランドだった彼らの演奏を見て血が逆流し、
「俺も中国人になる!!」
と言って今がある。

中国政府が「精神汚染音楽」として締め付けを厳しくしている時代、
ロックが本当に「ロック」だった時代である。

その後天津体育館での彼らのコンサートにドラマーとして参加してドラムソロをぶっ叩いた。

「会場に着いたら絶対に口を開くなよ」
外人だとバレたらどんなことになるかわからない、そんな時代だった。

ドラムの趙明義(Zhao MingYi)がその時から、
ワシが北京に来る度に金魚のウンコのように後を着いて来た。

「何かドラムのアドバイスをくれ」と言うので、
「お前はおどおどして叩いてる。俺はナンバーワンなんだと思って叩け!!」
と言った。

ホテルの部屋で「俺はナンバーワンだ!!」と叫ばせた。
「声が小さい!!もう一度!!」
何度も何度も叫ばせた。

「それだけで見違えるようにドラムが上手くなった」
とその話は人づてに中国で伝説になっている。

そんな彼もそのうちにバンドのマネージャーも兼ねるようになり、
商売もやって夜総会を5軒も経営しながらこんなことを言い出す始末。

「俺は商売人の中でドラムが一番上手い、ドラマーの中で商売が一番上手い(笑)」

諸外国と同じく、ロックがよかった時代はあっという間に過ぎ去り、
黒豹(HeiBao)は彼のマネージメントの元、
ボーカリストを次々にチェンジしながら過去のヒット曲を演奏して金にする商業ロックの権化となり下がった。

それでも趙明義(Zhao MingYi)はワシの人生では節々に大きな出来事を運んで来る。

北京に引っ越して来て、中国ロックがどんどん商業化されてゆく中、
「俺はここで何をしてるんだ・・・」
と悩んで失意のどん底にいた頃、突然彼から電話がかかって来た。

「今、二毛(ErMao)と一緒にあなたが叩いた許巍(XuWei)のアルバムを聞いてました。
音楽の中でドラムがどれほど大切なのかがよくわかりました。
僕たち二人は最初からもう一度あなたにドラムを教わりたい」

何かそのひと言で悩みが全部吹っ飛んでしまい、
「お前らにもまだ音楽を聞く耳はあったんだな(笑)」
と憎まれ口を叩きながら嬉しくてちょっとほろっとした。

中国で一番金を稼いだバンド「零点(LingDian)」のプロデュースをやることになったのも趙明義(Zhao MingYi)の強い推薦があったからである。


そんな彼からまた突然電話が来た。

「ファンキーさん!!北京にいるのか?!!そりゃよかった!!」

聞けば黒豹がアルバムをレコーディングしているが、
1曲どうしても叩けない曲があるので叩いて欲しいと言う。

まあ零点(LingDian)でも後期は全部ワシが叩いてたし、
売れているバンドが実際に演奏しないのは別に日本だけに限ったことではない。

何より、この長い付き合いで実は黒豹(HeiBao)と「仕事」をしたことは一度もなかったので、
それが嬉しくて喜んでスタジオに駆けつけた。

HeiBaoDrumset.jpg

彼のドラムセットがセッティングされている。
セッティングもそのままで叩かせてもらうことにした。

曲を作ったキーボードの惠鵬(Hui Peng)と共に、
趙明義(Zhao MingYi)がどう叩いてくれといろいろ注文をつける。

本当は自分がこう叩きたいんだけどどうしても叩けないのが、
ワシがどんどんとそれを実現させてゆくのが楽しくて仕方ないようだ。

「ファンキーさん!!あなた何叩いても機械のように正確ですよ!!凄い」

と言う彼に、
「おう!!お前専属のドラムマシンだと思って何でも言え!!」
と答える。

フィルなんかも「もっと叩きまくって埋めてくれ」と言うので、
「お前、ライブはどうすんだよ!!」
と言うと、ギターの李彤(Li Tong)が、
「練習すんだよ!!それしかないだろ!!」
と笑った。

商業ロックの権化として若いロッカーから忌み嫌われている彼らの、
そんな笑顔を見てるうちに、
「ああ、こいつらもやっぱ音楽好きなんだな」
と思ってちょっとほろっとした。

叩き終わって、
「クレジットどうすんの?
俺は別に自分の名前でなくてもお前が叩いたことにしてもいいよ」
と言うと、
「ファンキーさん、それはいかんでしょう・・・
これを自分が叩いたなんて言ったらみんなに総スカン食っちゃうでしょ」
と頭をかいた。

FunkyWithHeiBao.JPG

そう言えば前回飲んだ時に、彼はこんな面白いことを言っていた。

「ファンキーさん、僕ドラムやめようと思うんです。
黒豹(HeiBao)の新ドラマーは全国でオーディションして、
もうどんどん若いミュージシャンにバトンタッチしていっていいんじゃないかな、と」

「それはいいアイデアだ!!」
とワシは絶賛した。

どうせ過去のヒット曲で稼いでいるバンドである。
それが誰が演奏してたってそのヒット曲さえあればいい。

要は黒豹(HeiBao)が「会社」みたいになって、
自分は株主、運営するのは別のミュージシャンというわけだ。

こんなことをやったバンドはいないし、
まあいかにも趙明義(Zhao MingYi)らしいアイデアだが、
オーディション自体が全国的に大きなプロモーションになるし、
何よりも若手にチャンスを与えられるというのがよい。

まあでもレコーディングの時のあの嬉しそうな顔を見る限り、
そのアイデアはまだまだ実現されまい。

まあそれまで「一番商売が上手いドラマー」として頑張ってくれ(笑)


あの日、「世界がなくしたロックがここにある」と感激して中国に来たワシは、
黒豹(HeiBao)がどんどん商業化されてもまだ取り残されたようにそこにいる。

もう今は交わることはほとんどないけど、
商業化するならとことん商業化すればよい。

ワシはいつまでもあそこで、あのままの自分のままで、
ずーっとお前達を「よき友人」として見守ってゆきたいと思うぞ!!

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